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「有料老人ホームは高そう」というイメージから、検討する前に諦めてしまう方は少なくありません。ですが、実際の費用は施設によって幅が広く、内訳を知っておくことで想定外の出費を避けやすくなります。
この記事では、介護歴20年の現役施設長が、有料老人ホームの費用相場と内訳、そして知っておきたい軽減制度について解説します。
有料老人ホームの月額費用はいくら?
複数の調査データをもとにした目安は、次のとおりです。
- 介護付き有料老人ホーム:月額15万〜35万円程度
- 住宅型有料老人ホーム:月額10万〜25万円程度
介護付きの方が費用が高めに見えますが、これは介護サービス費が月額費用に含まれているためです。住宅型は生活支援中心の費用のみで、訪問介護などの介護サービスは別途契約・別途支払いとなるため、要介護度が上がるとトータルの費用が介護付きに近づく、あるいは逆転するケースもあります。
月額費用の内訳

月額費用は、主に次のような項目で構成されています。
くわしく読む(文字で見る)
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 居住費(家賃相当額) | 部屋タイプ・広さによって変動 |
| 管理費 | 共用部分の維持費、事務費など |
| 食費 | 1日3食が基本。回数や内容で変動 |
| 介護サービス自己負担分 | 要介護度に応じて1〜3割負担 |
| 上乗せ介護費用 | 介護付きの一部施設で発生(下記参照) |
| 日常生活費 | オムツ代、理美容代など個人利用分 |
「上乗せ介護費用」に注意
介護付き有料老人ホームの人員配置は、制度上「要介護者3人につき介護・看護職員1人以上」が基準です。これより手厚い体制(要介護者2.5人につき職員1人以上。例:2人につき1人)をとっている施設では、その分の「上乗せ介護費用」が別途かかることがあります。この費用は介護保険の対象外なので、全額自己負担です。手厚い分だけ安心感はありますが、費用にも直結するため、資料請求時に確認しておきたいポイントです。
入居金の仕組みと返還ルール
有料老人ホームの入居金は、0円から数千万円まで施設によって大きく幅があります。これは家賃の前払いのような性質を持つもので、契約時に定められた期間で「償却」されていく仕組みです。
短期解約特例制度(通称「90日ルール」)

入居してから3ヶ月以内に契約を解除した場合、入居していた期間の実費を除いた入居金が返還される制度があります。これは老人福祉法に基づき、事業者に義務付けられているものです。この期間内であれば、初期償却分も含めて返還対象になります。
以前は「90日以内」という日数基準でしたが、2012年(平成24年)4月に施行された法改正で「3か月以内」という基準に改められました。「90日ルール」という呼び方は今も広く使われていますが、実際の基準は暦月での3ヶ月である点を押さえておきましょう。
「入居してみたら合わなかった」というときのための制度なので、契約時にこのルールが契約書に明記されているかは必ず確認しておきましょう。
費用を抑える・軽減する方法
介護サービスの自己負担分については、高額介護サービス費という制度があり、1ヶ月の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分が払い戻されます。上限額は所得区分によって細かく分かれており、制度も見直しが行われることがあるため、正確な金額は担当のケアマネジャーやお住まいの市区町村の窓口で確認することをお勧めします。
上限額の一覧や、夫婦で合算したときの計算例、申請の期限は、高額介護サービス費はいくら戻る?上限額・申請方法を施設長が解説で詳しくまとめています。
また、住宅型と介護付きのどちらが結果的に安く済むかは、要介護度や利用する介護サービスの量によって変わります。「介護付きは高いから」と最初から候補から外さず、見積もりを比較してみることが大切です。
参考資料(2026年9月確認):改正老人福祉法施行規則による入居一時金の返還ルール(全国介護付きホーム協会)/短期解約特例について(全国有料老人ホーム協会)
施設長の本音
現場でよく感じるのは、「入居金の安さ」だけで施設を決めてしまい、入居後に月額費用の内訳を見て驚かれるご家族が一定数いるということです。
特に上乗せ介護費用や、要介護度が上がったときの費用の変動については、契約前の説明だけでは実感しにくい部分です。気になることは遠慮せず、資料請求の段階で質問してみてください。丁寧に答えてくれる施設かどうかも、選ぶ際の判断材料になります。
まとめ
- 介護付きは月15万〜35万円程度、住宅型は月10万〜25万円程度が目安
- 月額費用は家賃・管理費・食費・介護費などで構成される
- 介護付きの一部施設では「上乗せ介護費用」が発生することがある
- 入居金は3ヶ月以内の解約なら実費を除いて返還される(通称「90日ルール」)
- 高額介護サービス費など軽減制度もあるので、ケアマネジャーに相談を
費用の内訳を知っておくだけで、施設選びの不安はぐっと軽くなります。できる範囲で、焦らず比較していきましょう。
よくある質問
Q1. 介護付きと住宅型、結局どちらが安いですか?
一概には言えません。要介護度が低いうちは住宅型が安く済むことが多いですが、介護度が上がると訪問介護などの費用がかさみ、介護付きとの差が縮まる、あるいは逆転することもあります。
Q2. 入居金0円のホームは何か問題があるのですか?
必ずしもそうではありません。入居金を月額費用に上乗せする形で回収する仕組みの施設も多く、トータルで見て月額が高めに設定されている場合があります。総額で比較することをお勧めします。
Q3. 費用について、どこに相談すればいいですか?
まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談できます。具体的な施設の費用については、資料請求をして各施設の担当者に直接確認するのが確実です。
有料老人ホームは費用の幅が広いからこそ、内訳を理解した上で複数施設を比較することが後悔しないための近道です。
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まずは費用を比べてみませんか
施設によって費用の内訳や上乗せ介護費用の有無は大きく異なります。気になる施設があれば、パンフレットや料金表、重要事項説明書を見せてもらい、この記事の内訳と見比べてみてください。わからない点は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると安心です。


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