施設入居で身元保証人がいないときは?|頼れる4つの方法を施設長が解説

施設の選び方

※本記事はプロモーションを含みます

「施設の申込書に、身元保証人の欄がある。でも、頼める人がいない」

きょうだいがいない。親戚は遠方で高齢。子どもに迷惑をかけたくない。
施設探しの途中で、ここでつまずくご家族は少なくありません。

この記事では、介護歴20年の現役施設長が、身元保証人がいないときに頼れる方法を整理します。

結論から言うと、保証人がいないから入居をあきらめる、という必要はありません。
施設への相談、成年後見制度、身元保証サービスなど、代わりになる方法があります。一人で抱え込まず、一緒に確認していきましょう。

施設が身元保証人を求める理由|4つの役割

まず、施設がなぜ保証人を求めるのかを知っておくと、代わりの方法が選びやすくなります。

施設が身元保証人(身元引受人)にお願いすることは、主に次の4つです。

役割 具体的には
① 費用の支払いの保証 月々の利用料が払えなくなったときに、代わりに支払う
② 緊急時の連絡・相談 体調の急変や入院のときに連絡を受け、治療や今後のことを一緒に考える
③ 入院・退去のときの手続き 入院の付き添いや手続き、退去時の荷物の引き取り
④ 亡くなったときの対応 ご遺体やご遺品の引き取り、費用の精算

施設によって呼び方(身元保証人・身元引受人・連帯保証人)や、お願いする範囲は違います。
申込前に「保証人に何をお願いしたいのか」を施設に聞いておくと、代わりの方法を考えやすくなります。

身元保証人がいないと、施設に入れない?

介護保険施設は「保証人がいないこと」だけで断れない

特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)などの介護保険施設は、正当な理由なくサービスの提供を拒否できない決まりがあります。

厚生労働省は、身元保証人等がいないことのみを理由に、入所を拒むことは不適当だとしています。
(出典:厚生労働省「市町村や地域包括支援センターにおける身元保証等高齢者サポート事業に関する相談への対応について」平成30年8月30日/医療機関については医政局医事課長通知 平成30年4月27日。2024年6月の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」でも改めて示されています)

有料老人ホームやサ高住は、施設ごとの契約による

一方、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、施設と本人の契約で決まる部分が大きく、保証人を求める施設が多いのが実情です。

ただ、「保証人がいない場合は、身元保証サービスの利用や、預り金の追加などで対応します」という施設もあります。
まずは「保証人がいないのですが、どうすれば入居できますか」と、正直に相談してみてください。

身元保証人がいないときに頼れる4つの方法

方法 できること 注意点
① 親族に、役割をしぼって頼む 緊急連絡先だけ、など一部を引き受けてもらう 支払いの保証まで頼むと負担が大きい
② 施設に相談する 保証人なしでの入居方法を一緒に考えてもらえる 対応は施設ごとに違う
③ 成年後見制度を使う 財産の管理や契約を、本人に代わって行う 後見人は、支払いの保証人や身柄の引き取りまでは引き受けないのが一般的
④ 身元保証サービスを使う 身元保証・生活の支援・亡くなった後の手続きをまとめて頼める 費用やサービス内容が事業者ごとに大きく違う

① 親族に、役割をしぼって頼む

「保証人」と聞くと重く感じますが、緊急時の連絡先だけなら引き受けてくれる親戚もいます。
施設が求める4つの役割のうち、どこまでなら頼めるかを分けて考えると、話がしやすくなります。

② 施設に相談する

施設の相談員は、保証人がいない入居者を受け入れた経験があることも多いです。
「保証人がいない場合の決まりはありますか」と、見学や相談の段階で聞いてみてください。
見学で確認したいことは施設見学でチェックすべき7つのポイントにまとめています。

③ 成年後見制度を使う

認知症などで判断する力が低下している場合は、成年後見制度で、財産の管理や施設との契約を、後見人が本人に代わって行えます。

ただし、後見人は本人の代理人であって、支払いの保証人や、亡くなった後の身柄の引き取りまでは引き受けないのが一般的です。
後見制度と身元保証サービスを組み合わせて使うご家庭もあります。

親のお金の管理を元気なうちに準備する方法は、認知症で親の口座が凍結される?家族信託・成年後見の違いと備え方で解説しています。

④ 身元保証サービスを使う

家族の代わりに、身元保証などを引き受ける民間のサービスです。次の章でくわしく説明します。

身元保証サービス(高齢者等終身サポート事業)とは

身元保証サービスは、国のガイドラインでは「高齢者等終身サポート事業」と呼ばれています。主なサービスは次の3つです。

  • 身元保証:入院・施設入所の際の手続きの支援、緊急連絡先の引き受けなど
  • 日常生活の支援:通院の付き添い、買い物、各種手続きの代行など
  • 亡くなった後の手続き(死後事務):葬儀・納骨、遺品の整理、各種の解約など

2024年6月には、内閣官房や厚生労働省など9つの府省庁が「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」をつくりました。
事業者が守るべきことや、利用者が安心して使うためのポイントがまとめられています。

費用は事業者ごとに大きく違う

総務省の調査(2023年8月)では、この事業には直接取り締まる法律がなく、サービスの内容や費用の仕組みが事業者ごとに大きく違うこと、契約金額が高額で、一部を先に支払うことが多いと指摘されています。

たとえば、ある事業者(おひさぽ)の公式サイトでは、次のような料金が示されています(2026年10月時点・税込)。

プラン 初期費用 月額 その他
生涯安心プラン 99万円 1,980円 身元保証は生涯何度でも利用可
都度払いプラン 16.5万円 5,500円 入院・退院時 11万円/回、施設の入所・退所時 16.5万円/回

このように、最初にまとめて払う形と、使うたびに払う形があります。
1社だけで決めず、2〜3社の資料を取り寄せて比べるのがおすすめです。

身元保証サービスで失敗しないための6つの確認点

国のガイドラインと総務省の調査をもとに、契約前に確認したいことをまとめました。

  1. 重要事項説明書をもらえるか:サービス内容と費用を、書面でていねいに説明してくれるか
  2. 費用が分けて書かれているか:入会金・預託金・使うたびの費用が、ひとまとめではなく分けて示されているか
  3. 預託金(先に預けるお金)の管理方法:会社の運営資金と分けて管理しているか(信託口座など)
  4. 解約したときの返金ルール:途中でやめたとき、いくら戻るのか
  5. 判断する力が下がったときの対応:成年後見制度への移行をどう考えているか
  6. 寄付や遺贈が契約の条件になっていないか:ガイドラインでは、契約の条件にしないことが重要とされています

契約は、ご家族やケアマネジャーに同席してもらうと安心です。
わからないことは、その場で決めずに持ち帰って大丈夫です。

まず資料を取り寄せて比べてみる

「どんなサービスがあるのか、まず知りたい」という段階なら、資料請求から始めるのがいちばん負担が少ない方法です。

おひさぽは、身元保証から日常生活の支援、財産管理、亡くなった後の手続きまで相談できる終活サポートです。公式サイトによると、

  • 基本的に全国対応(一部対応していない地域あり)
  • 初回の相談は無料、夜間・土日の相談にも対応
  • 預託金は信託銀行などの信託口座で分けて管理
  • 「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」に準拠

とされています。費用やプランの内容は、資料で確かめてから検討してください。

施設長の本音

施設で長く働いていると、「保証人がいないので、入居をあきらめようと思っていました」というご家族に出会います。

あるご家族は、お子さんがいないご夫婦でした。奥さまの入居を考えていましたが、ご主人も高齢で、保証人になれる人がいません。
相談を受けて、施設として必要なこと(支払い・緊急時の連絡・亡くなったときの対応)を一つずつ整理しました。最終的には、身元保証サービスと成年後見制度を組み合わせて、無事に入居が決まりました。
(※個人が特定されないよう、複数の経験をもとに再構成しています)

保証人の欄が空いていることは、恥ずかしいことではありません。
施設の側も、「何に困るのか」がわかれば、一緒に方法を考えられることが多いのです。
どうか一人で抱え込まず、早めに相談してください。

まとめ

  • 施設が保証人に求めるのは「支払いの保証・緊急時の連絡・入院や退去の手続き・亡くなったときの対応」
  • 特養・老健などの介護保険施設は、保証人がいないことだけを理由に入所を断れない
  • 有料老人ホーム・サ高住は保証人を求めることが多いが、まずは施設に相談
  • 頼れる方法は「親族に役割をしぼって頼む」「施設に相談」「成年後見制度」「身元保証サービス」の4つ
  • 身元保証サービスは費用やルールが事業者ごとに大きく違うので、複数社の資料で比べる

何から始めればよいかわからないときは、お住まいの地域の地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)に相談してください。

施設の種類や費用の違いは、次の記事もあわせて読んでみてください。
– 介護施設の種類まるわかり|特養・老健・有料老人ホームの違い
– 有料老人ホームの費用はいくら?内訳と軽減制度を施設長が解説

よくある質問

Q1. 身元保証人と身元引受人は違うのですか?
A. 施設によって呼び方や意味が違います。支払いの保証を含むこともあれば、緊急時の連絡や身柄の引き取りが中心のこともあります。申込前に、施設が何をお願いしたいのかを確認してください。

Q2. 成年後見人に、身元保証人になってもらえますか?
A. 後見人は本人の代理人として財産の管理や契約を行いますが、支払いの保証人や、亡くなった後の身柄の引き取りまでは引き受けないのが一般的です。身元保証サービスと組み合わせる方法もあります。

Q3. 身元保証サービスは、いつ頃から考えればいいですか?
A. 契約には、本人が内容を理解して判断できることが必要です。入居や入院が決まってからでは慌ただしくなるので、元気なうちに資料を集めて、家族で話しておくと安心です。

まず備えるなら

身元保証は、「いざ入居」というときに急に必要になることが多い手続きです。
資料を取り寄せて、費用やサービス内容を比べておくだけでも、いざというときの安心が大きく変わります。

※制度・料金は2026年10月時点の情報です。最新の内容は各施設・事業者・お住まいの市区町村にご確認ください。

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