介護食の宅配おすすめの選び方|噛む・飲み込む力に合わせた食事を施設長が解説

介護食の宅配 選び方 在宅介護

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「最近、親が食事でむせるようになった」「やわらかく作り直すのが毎日たいへん」。

この記事でわかること

  • 親の噛む力・飲み込む力に合わせた食べ物のかたさ(4段階)
  • 失敗しない介護食の宅配の選び方5つ
  • 少量のお試しから始められる2つのサービスと料金
  • 宅配と組み合わせて、食事づくりをもっと楽にする工夫

そんな悩みを抱えていませんか。毎日3回の食事づくりは、介護の中でも特に負担が大きい仕事です。

この記事では、介護歴20年の現役施設長が、介護食の宅配を選ぶポイントをお伝えします。結論から言うと、大切なのは「親の噛む力・飲み込む力に合った形」を選ぶことと、いきなり定期にせず、少量から試すことです。

全部を手作りしなくて大丈夫です。上手に頼れる方法を、一緒に見ていきましょう。

介護食の宅配が向いているのはこんなとき

介護食の宅配は、冷凍のおかずが自宅に届き、電子レンジで温めるだけで食べられるサービスが多いです。

次のような場面で、特に助けになります。

  • 食事を刻んだり、やわらかく煮直したりする手間がつらい
  • 仕事や子育てと両立していて、毎食つくる時間がない
  • 離れて暮らす親の食事が心配(冷凍庫にストックしておける)
  • 栄養が偏っていないか不安(管理栄養士が献立を考えている商品が多い)

「手を抜いているようで申し訳ない」と感じる方もいます。でも、作る人が倒れてしまっては元も子もありません。宅配は、介護を長く続けるための道具の一つです。

噛む力・飲み込む力に合わせた「食形態」の違い

食べ物のかたさ4つの段階(ユニバーサルデザインフードの区分)の図解

介護食を選ぶときに、いちばん大事なのが「食形態(しょくけいたい)」です。食べ物のかたさや形のことで、噛む力・飲み込む力に合わせて選びます。

目安になるのが、日本介護食品協議会が定めた「ユニバーサルデザインフード」の4つの区分です。

くわしく読む(文字で見る)
区分 かむ力の目安 飲み込む力の目安
容易にかめる かたいものや大きいものはやや食べづらい 普通に飲み込める
歯ぐきでつぶせる かたいものや大きいものは食べづらい ものによっては飲み込みづらいことがある
舌でつぶせる 細かくてやわらかければ食べられる 水やお茶が飲み込みづらいことがある
かまなくてよい 固形物は小さくても食べづらい 水やお茶が飲み込みづらい

出典:日本介護食品協議会「ユニバーサルデザインフードとは」(2026年9月確認)

宅配サービスでは、これを「やわらか食」「ソフト食」「ムース食」「ピューレ食」などの名前で分けていることが多いです。名前と区分の対応は会社ごとに少し違うので、商品ページの説明を確認してください。

むせることが増えた、食事に時間がかかるようになったという場合は、自己判断で決めず、かかりつけ医や言語聴覚士、ケアマネジャーに相談しましょう。合わない形の食事は、誤嚥(食べ物が気管に入ること)につながるおそれがあります。

失敗しない介護食の宅配の選び方 5つのポイント

① 今の食べる力に合う形があるか

いちばん大切なポイントです。今はやわらか食で大丈夫でも、体調によって食べる力は変わります。何段階かの形から選べる会社だと、状態が変わっても続けやすくなります。

② 栄養のバランスが考えられているか

食が細くなった高齢者は、少ない量でも栄養をとれることが大切です。管理栄養士が献立に関わっているかを確認しましょう。

③ 温めるだけで食べられるか

電子レンジで温めるだけのタイプなら、介護する側の負担がぐっと減ります。冷凍庫に入る大きさかも、事前に確認しておくと安心です。

④ 量と回数を調整できるか

毎食すべてを宅配にしなくても大丈夫です。「夕食だけ」「週に数回だけ」など、ご家庭に合わせて使える会社を選びましょう。

⑤ お試しがあるか・やめやすいか

いちばん大切なのは、本人が「おいしい」と食べてくれるかです。まずは少量のお試しから始めて、定期購入は気に入ってからで十分です。解約の条件も、申し込む前に確認しておきましょう。

目的別|お試しから始められる介護食の宅配2選

ここからは、5つのポイントを満たしていて、少量から試せるサービスを2つ紹介します。料金は2026年9月時点・税込の公式サイト表示です。最新の価格や送料は、各公式サイトでご確認ください。

食べる力に合わせて4段階から選ぶなら「食楽膳(しょくらくぜん)」

介護事業を手がけるSOMPOケアソリューションズが運営する、冷凍おかずの宅配です。

項目 内容(2026年9月時点)
食べやすさ レギュラー/ソフト/ムース/ピューレから選べる
お試し レギュラー4食お試しセット 2,160円(送料無料)
介護食タイプ ソフト・ムース・ピューレは7食セットから(例:新ソフト7食 6,160円)
定期購入 お届け間隔を選べる。お休み・変更ができ、解約金なし

こんな方におすすめ

  • 今はふつうの食事に近いけれど、今後やわらかい食事が必要になりそうな方
  • 状態に合わせて、同じ会社のまま形を変えていきたい方

まずはレギュラーのお試しで味を確かめて、必要に応じてソフトやムースに移る、という使い方ができます。

やわらか食・ムース食をしっかり試したいなら「メディカルフードサービス」

健康管理食の宅配を専門にしている会社です。「バナナでもつぶせるやわらかさ」をうたう、やわらか食が特徴です。

項目 内容(2026年9月時点)
介護食 やわらか食/ムース食
お試し やわらか食お試しセット 6食 5,594円/ムース食お試しセット 6食 4,688円
そのほか 塩分・たんぱく質・カロリーなどを調整した食事もある
定期コース 週6〜14食から選べる

こんな方におすすめ

  • すでにやわらか食やムース食が必要で、6食くらいでしっかり試したい方
  • 見た目や彩りも大切にしたい方

なお、塩分やたんぱく質を調整した食事は、医師から食事の指示が出ている方が、その内容に合わせて選ぶものです。自己判断で始めず、主治医や管理栄養士に相談してから選んでください。

2つのサービスの比べ方

こんなとき おすすめ
まだふつうの食事に近い・今後に備えたい 食楽膳(レギュラーのお試し 2,160円から)
やわらか食・ムース食がもう必要 どちらも可。6食で試すならメディカルフードサービス、7食からなら食楽膳
形を段階的に変えていきたい 食楽膳(4段階)

迷ったら、両方のお試しを少しずつ取り寄せて、本人に食べ比べてもらうのもおすすめです。

宅配と組み合わせたい工夫

宅配だけで全部をまかなう必要はありません。次の工夫を組み合わせると、ぐっと楽になります。

  • 汁物や飲み物には「とろみ調整剤」 … 飲み込みが心配なときに。使う量は医療職に相談しましょう。とろみ剤や食器などは在宅介護の便利グッズまとめで紹介しています。
  • 自治体の配食サービスも確認 … お住まいの市区町村によっては、高齢者向けの配食サービス(安否確認を兼ねたお弁当の配達など)がある場合があります。内容や費用は地域で違うので、地域包括支援センターで聞いてみてください。
  • 食事の見守り … 離れて暮らす親の場合、きちんと食べているかも心配ですよね。認知症の親の見守り方法もあわせてご覧ください。

施設長の本音

施設でも、食事の形は一人ひとりに合わせて変えています。同じ「やわらか食」でも、合う・合わないは本当に人それぞれです。

現場でよく見るのは、ご家族が「かわいそうだから」と、形を落としすぎてしまうケースです。まだ噛める方がムース食ばかりになると、食べる楽しみが減り、噛む力も使わなくなってしまうことがあります。

反対に、「まだ大丈夫」と無理をして、むせが増えてしまうケースもあります。どちらも、ご家族が一生懸命だからこそ起きることです。

だからこそ、今の食べる力を専門職に一度見てもらい、その上で宅配を「道具」として使うのがいちばん安心です。そして何より、ご家族が食事づくりに追い詰められないこと。頼れるものは頼っていいと、私は思っています。

まとめ

  • 介護食の宅配は、温めるだけで食べやすい食事がとれる、介護の心強い道具
  • 選ぶときは「今の噛む力・飲み込む力に合う形」がいちばん大切。迷ったら医師や言語聴覚士、ケアマネジャーに相談を
  • いきなり定期にせず、少量のお試しから始めて、本人が「おいしい」と食べられるかを確認
  • 食楽膳は4段階から選べて、形を変えていきたい方に。メディカルフードサービスはやわらか食・ムース食を6食から試したい方に

毎日の食事づくりを、一人で抱え込まなくて大丈夫です。まずは、お試しセットで一度、本人の反応を見てみてください。

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よくある質問

Q. 介護食の宅配に介護保険は使えますか?

一般的な宅配の介護食は、介護保険の対象外で、全額自己負担になることが多いです。ただし、市区町村によっては高齢者向けの配食サービスを行っている場合があります。地域包括支援センターやケアマネジャーに確認してみてください。

Q. どの形(やわらか・ムースなど)を選べばいいかわかりません。

まずは、この記事の区分表で、今の食べ方に近いものを目安にしてください。むせる・飲み込みに時間がかかるときは、自己判断せず、かかりつけ医や言語聴覚士に相談するのが安心です。

Q. 本人が「宅配はいやだ」と言ったらどうすればいいですか?

いきなり毎食にせず、「今日は一品だけ」「おかずを一つ足すだけ」から始めるのがおすすめです。ご家族も一緒に食べてみて、「おいしいね」と声をかけると、受け入れてもらいやすくなることがあります。

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